「続・発想法」を読みました!~あらすじと感想

「発想法」「まんがでわかる 発想法」を読んで、「続・発想法」を読むことにしました。
「発想法」と「まんがでわかる 発想法」との違いを中心にあらすじと感想を書いてみます。

「発想法」は、218ページです。
「続・発想法」は、330ページです。
「続・発想法」は、「発想法」より50%、約100ページも増えています。
「発想法」は、概念的で、紹介的であり、KJ法を実践する人に理解しにくいです。
「続・発想法」は、「発想法」より具体的であり、実践的であり、KJ法を実践する人が理解しやすいです。
「続・発想法」は、「発想法」を読んでいることを前提に記述されているので、「続・発想法」だけを読んでも理解しにくいでしょう。
「発想法」と「まんがでわかる 発想法」に続いて、「続・発想法」を読むことをお勧めします。
「発想法」と「まんがでわかる 発想法」を読んで理解できなかった人にも、「続・発想法」を読むことをお勧めします。

KJ法は、現場を経験を重視し、新しいアイデアやヒントを創造するということです。
現在の管理社会では、現場を経験を軽視し、新しいアイデアやヒントを創造することができません。
現在、KJ法を実践し、管理社会を参画社会にすることが重要です。
KJ法は、未知の問題に対して、問題提起から始めて、問題を解決するまでの過程の一部です。
「W型問題解決モデル」が、未知の問題に対して、問題提起から始めて、問題を解決するまでの全ての過程です。
「W型問題解決モデル」は、問題が解決するまで累積的に使用することができます。
「W型問題解決モデル」については、「発想法」より具体的であり、実践できるように説明されています。
問題提起、探検の方法、内部探検と外部探検、ブレーンストーミングについて説明されています。
具体例として、会議における探検法、順番ブレーンストーミング法、KJ法のための準備と用具が説明されています。
KJ法のやり方を図解をして、一つひとつ丁寧に紹介されています。
KJ法を重ねて繰り返すことを、累積KJ法です。
会議は、予め上司が決めた結論の正しさを示すために行われるので、新しい考え方は全く出てこず、創造性は求められません。
本書で描かれている会議は、理想的なモデルケースで、現実味を感じられません。

面接の技術には、相手の意見を集めるための面接と仮説の正しさを検証する面接があります。
相手の意見を集める目的としながら、仮説の正しさを検証する面接を行い誘導尋問をしていることには注意が必要です。

同じ事実でも、「とき」、「ところ」、「出所」と「採取者」によって、異なります。
事実を貴重な資料にするなら、「とき」、「ところ」、「出所」と「採取者」を記録しなければなりません。

グループ編成にも、色々な注意点があることに気が付かされます。
情念と理性との連携、使い分けについても説明されていて、納得させられます。
グループ編成を行う理由が、A型図解化することであることが理解できます。
A型図解化は、概念や文章だけでは理解しにくいですが、図解をして、説明されているので、理解しやすいです。

ブレーンストーミングで意見を出し、KJ法で問題を共有し、図解化し、理解し、問題に点数をつけて、評価し、重要な問題について多数決を執ると、参加者が納得できる答えにたどり着きます。
参加者が納得できる答えをデータと解釈を分けて文書化することでアイデアとヒントを得ることができるし、文章を読むことで肯定的、あるいは否定的な意見も利用できるという生産的な論争が起きます。
文書化に時間がかかるというなら、一人で読み上げてみる、相手に読んで聞かせることでもアイデアとヒントは得られます。
得られたアイデアとヒントを元にもう一度KJ法を行うのが累計KJ法です。
素晴らしいアイデアを生み出したデータにまでたどり着くようにすると、良いです。

人間の能力評価をいくつかの評価項目を決めて置き、個別的に能力を評価するは、間違っています。
人間の能力評価をKJ法で行えば、誰しも納得する、人間の個性を認めた評価になるということです。

KJ法を行うには時間がかかるので、「W型問題解決モデル」に沿って、話し合い、記録し、結論を得るということもできます。
「W型問題解決モデル」を分割し、分業して行うという考え方「仕事の分割可能性」には現実味があるように感じました。
「W型問題解決モデル」を問題提起ラウンド、問題提起ラウンド、本質追求ラウンド、評価と決定のステップ、構想計画ラウンド、具体策ラウンド、手順化ラウンド、結果の検討のステップという6つのラウンドと2つのステップに分割する「六ラウンド累計KJ法」があります。

KJ法の研修は、最低でも3泊4日、泊まり込みでの徹夜に近い研修では足りず、十日前後の訓練キャンプが必要です。
累積KJ法の第一ラウンド(問題提起ラウンド)を行うと、ぼんやりとだいたいの手順が分かり、第二ラウンド(問題提起ラウンド)を行うと、苦しみ、第三ラウンド(本質追求ラウンド)を行うと、KJ法が身に付いたと感じるようになります。

九州での伊東莞氏らによる「企業教育が人間の真の成長に役立つために」に対する3ラウンドにわたるA型図解およびB型文章化の実例が紹介されています。
1960年代に行われたと実例が60年以上経過した今でも古く感じさせないというところに、日本の社会は、変わらないと感じました。

未経験者から見たKJ法についての感想は、KJ法を初めて知る学生や若い社会人には参考になります。
行政監察官から見たKJ法についての感想は、KJ法を初めて知る役人には参考になります。
研修参加者から見たKJ法についての感想は、KJ法を初めて知る社会人には参考になります。

KJ法は、ブレーンストーミング、面接の仕方、インシデント・プロセス、連想と類比、シネクティクス、等価変換理論等と共に使用されます。

KJ法を行うことで、自分自身の個性を発揮させ、自分自身に対する理解を深め、相互理解を深めます。
KJ法は、自己啓発という側面があり、創造性を身に付け、勇気を得て、チームで行動を起こすことができる、能力の高い人材に育てることができます。
KJ法は、不確かな情報から真実を見抜けるようにできます。
KJ法は、A型の図解化とB型の文章化、または声による説明の併用により、人を説得する、または組織で会議を行う道具として利用できます。

日本の政治家は、金と票を集めて、秘書や会計責任者に責任を押しけ、逮捕を免れるという始末で、日本にリーダーシップはありません。
リーダーシップのない日本でイノベーションが起きないのは当然です。
KJ法を含む問題解決的な仕事のやり方が行われていない日本では、現代民主主義の体質改善は行われないということです。
日本人の創造性開発が開拓されないので、激動する時代の社会的危機を乗り越えられず、「失われた30年」に陥っているいうことです。
予め結論がある会議は、意見を述べても、批判され、排除され、創造性は失われ、成果はなく、次の会議に持ち越され、根回しの結果に決着をつけるだけで、開催する価値はありません。

経営者に対しては、経営者の啓発、経営調査、経営の問題解決、経営コンサルタントに対してKJ法を使用することができます。
経営者が、KJ法を使用し、会社の置かれた現状を知り、部下とのコミュニケーションを図り、組織の体質改善することができます。
従業員が、KJ法を使用し、QCサークルを行えば、自発的な問題解決を行い、活力が生まれます。
起業家が、KJ法を使用し、新しい事業をおこし、組織を生み出すこともできます。

誰であれ、ブレーンストーミング、KJ法、PERT法を身に付けるのは大変で、組織の全員が身に付けるのはもっと大変で、KJ法に対する抵抗感が強いです。
誰であれ、KJ法を身に付けることはでき、慣れてしまえば、新しい問題解決法として取り入られます。
KJ法を組織に導入するには、組織の全員がKJ法を実践しすることが望ましい。
組織の全員がKJ法を実践することが困難なら、小さな目標に対して、KJ法を完全に実践することです。
KJ法を完全に実践することで、KJ法に対する疑問が解消し、各段階(各ラウンド)ごとに行うことに集中することの重要性に気が付き、アイデアやヒントを得るという経験ができます。
KJ法を完全に実践するためには、経験者に一対一で指導を受け、組織内に広げていくのが良いです。
KJ法は、部下を管理する道具としてではなく、自分自身の未来のための道具として普及するのが望ましいです。
組織の中でKJ法を使用して考えることが評価されるかという問題があるので、組織のトップがKJ法を完全に実践することも重要です。
組織のトップがKJ法を完全に実践せずに、組織の方針を決定し、間違うことで、失われる時間や資金は多いです。
組織のトップがKJ法を完全に実践し、組織の方針を決定し、間違う可能性は減りますし、間違っても、修正することはできます。

学校教育でKJ法を導入する場合、機械的に授業時間内でKJ法を教えることができません。
学校教育で本質的に重要な部分に対して、KJ法を行い、創造的な学習を行うと良いです。
自分の社会経験では、機械的な作業をすることが多く、創造的な仕事を行える状況にはないです。

KJ法は、研究、新製品開発、調査、企画、宣伝広告、作文の分野で役立ちます。
KJ法は、ブログ記事の作成にも役立つと思います。

KJ法は、人材育成に役立ち、職場の士気を上げると記載されています。
自分は、直接的にはもちろん、間接的にもKJ法が人材育成に役立ち、職場の士気を上げることができるという話を聞いたことはありません。
KJ法ではないですが、8万人のマネジャーと100万人の従業員のインタビュー調査から導き出すという考え方は、「データをして語らしむ」というKJ法に似ていると感じています。
次は「まず、ルールを破れ」を読む予定です。
ご期待ください。

面白いと思った方は、クリックして、応援してね!
にほんブログ村 本ブログへ

にほんブログ村 シニア日記ブログへ   にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へ