「夢をかなえるゾウ1」の中で、出てきた「スティーブ・ジョブズ」について知りたいと感じました。
映画「スティーブ・ジョブズ(2013年)」を鑑賞し、レビューしました。
映画「スティーブ・ジョブズ(2015年)」も鑑賞し、レビューすることにしました。
映画「スティーブ・ジョブズ(2013年)」を鑑賞した後でないと、映画「スティーブ・ジョブズ(2015年)」を理解できません。
映画「スティーブ・ジョブズ(2015年)」は、Macintosh、NeXTcubeとiMacのプレゼンテーション前の周囲の人々を通して、スティーブ・ジョブズがどんな人であったのかを描いています。
伝記は、登場人物が多く、長く、読むのは大変ですが、映画を見る方が簡単です。
いきなり伝記を読むより、映画を鑑賞しておくと、伝記も読みやすいです。
この映画を観て、スティーブ・ジョブズについて知りたくなった人には、ウォルター・アイザックソン著/井口耕二訳「スティーブ・ジョブス 1」と「スティーブ・ジョブス 2」講談社を読むと理解できるようになります。
この映画のキャッチコピーは、「口先ひとつで、世界を変えた男。」です。
この映画は、スティーブ・ジョブズを通してどういう人が世界を変えるのかということを考えさせる映画です。
基本情報・スタッフ
監督 ダニー・ボイル
脚本 アーロン・ソーキン
原案 ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ』
製作 マーク・ゴードン
ガイモン・キャサディ
スコット・ルーディン
ダニー・ボイル
クリスチャン・コルソン
音楽 ダニエル・ペンバートン
撮影 アルウィン・H・カックラー
編集 エリオット・グレアム
製作会社 レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
東宝東和
公開 2016年2月12日
上映時間 122分
映倫 G
公式ホームページ
予告動画
舞台となる場所
1984年1月24日、スティーブ・ジョブズは、Macintoshをデ・アンザ・コミュニティ・カレッジのフリント・オーディトリアムで発表しました。
アップルコンピュータの本社は、クパチーノにあります。
1988年10月12日、スティーブ・ジョブズは、NeXTcubeをサンフランシスコ・オペラ・ハウスで発表しました。
1998年8月15日、スティーブ・ジョブズは、iMacをサンフランシスコのデイヴィーズ・シンフォニー・ホールで発表しました。
あらすじ
インタビュアーが、アーサー・C・クラークへのインタビューするシーンで始まります。
インタビュアーは、「「2001年宇宙への旅」で21世紀を描きましたね。これは息子のジョナサンです。2001年には私と同じ年になります。未来に適応させておくといいかと思って」と言います。
アーサー・C・クラークは、「一番大きな違いはコンピューターが、各家庭にあることです。こんな大きいものではなくて、操作卓ほどの大きさで互いにつながっていて、例えば銀行の残高や劇場の予約など、現代社会を生きるのに必要な情報を得ることができるんです。コンピューターはコンパクトな上、テレビ画面とキーボードがあり、情報を引き出せる。電話のような普通の機器になっているのです。」と応じます。
インタビュアーは、「でも、どんな社会になるんでしょう?コンピューター依存の世界になるのでは?」と質問します。
アーサー・C・クラークは、「まあね。でも社会が豊かになります。我々は好きなところに住めるんです。コンピューターを使えば地球のどこにいても仕事ができます。都市にしがみつく必要はなく、田舎など好きなところに住めます。」と21世紀の現在を見事に言い当てました。
1984年1月24日、アップルコンピュータは、Macintoshを発表しました。
1988年10月12日、NeXT社は、NeXTcubeを発表しました。
1992年1月、アップルコンピュータは、NewtonというタブレットPCを発表しました。
1998年8月15日、アップルコンピュータは、iMacを発表しました。
登場人物
アーサー・C・クラークは、英国出身のSF作家で、科学解説者で、「2001年宇宙への旅」の脚本家です。
スティーブ・ジョブズは、マイケル・ファスベンダーが演じる米国カルフォルニア州サンフランシスコのシリア系米国人として生まれ、ボブ・デュランが好きで、スティーブ・ウォズニアックと共に、AppleⅠ、AppleⅡとMacintoshを開発し、アップルコンピュータを設立し、アップルコンピュータを辞職し、NeXT社を創業し、NeXTcubeを発売し、ピクサー社を買収し、アップルコンピュータに復職し、iMac等を発売します。
ジョアンナ・ホフマンは、ケイト・ウィンスレットが演じるMacintoshプロジェクトメンバーで、NeXTcubeプロジェクトメンバーで、マーケッティングの責任者です。
ケイト・ウィンスレットは「タイタニック」にも出演しています。
スティーブ・ウォズニアックは、セス・ローゲンが演じる米国カルフォルニア州サンノゼでポーランド系米国人として生まれ、ビートルズが好きで、ヒューレット・パッカードを退職して、スティーブ・ジョブズと共にAppleⅠ、AppleⅡを開発し、アップルコンピュータを設立し、アップルコンピュータを辞職します。
クリス=アン・ブレナンは、キャサリン・ウォーターストンが演じるスティーブ・ジョブズの恋人で、リサ・ブレナンというスティーブ・ジョブズの娘を出産します。
アンディ・ハーツフェルドは、マイケル・スタールバーグが演じるMacintoshプロジェクトのプログラマーです。
ジョン・スカリーは、ジェフ・ダニエルズが演じるペプシ・コーラのCEOから、スティーブ・ジョブズにアップルコンピュータのCEOに誘われて、アップルコンピュータのCEOなります。
リサ・ブレナンは、マケンジー・モス、リプリー・ソーボとパーラ・ヘイニー=ジャーディンが演じるスティーブ・ジョブズとクリス=アン・ブレナンの娘で、エッセイを書くようになりました。
アンディ・カニンガムは、サラ・スヌークが演じるMacintoshのマーケッティングの担当者です。
アブドゥルファター・ジャンダリは、サンノゼの北の方にある地中海料理レストランのオーナーで、スティーブ・ジョブズの父親です。
スティーブ・ジョブズは、アブドゥルファター・ジャンダリが父親であることは知らずに、何度もアブドゥルファター・ジャンダリのレストランに訪れ、アブドゥルファター・ジャンダリとも握手をしていました。
アブドゥルファター・ジャンダリは、人々に息子とは知らずに、スティーブ・ジョブズが食事に来たことを自慢しています。
単語説明
ダニエル・コトキは、スティーブ・ジョブズのリード大学時代の友人で、一緒にインドへ旅行して、アップルコンピュータの設立従業員でが、アップル社の発起人者株を受け取れず、アップルコンピュータを辞職します。
ダニエル・コトキは、リサがスティーブ・ジョブズの娘であることをタイム誌の記者に話しました。
ガイ・カワサキは、AppleⅡとLisaとも互換性がないMacintoshには、アプリケーションソフトウェアがなく、Macintosh用のアプリケーションソフトウェアを他の会社に作成を依頼するエバンジェリストで、アップルの優れた技術者を認定するアップル・フェローという制度を作りました。
小澤征爾は、日本人オーケストラ指揮者で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団名誉団員、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団名誉団員、ボストン交響楽団桂冠音楽監督を務めました。
メトロノームは、一定の間隔で音を刻み、楽器を演奏あるいは練習する際にテンポを合わせるために使う音楽用具です。
アラン・チューリングは、第二次世界大戦中に、英国でドイツのエニグマと呼ばれる難攻不落の暗号の解読に尽力された英国人天才数学者です。
現実歪曲フィールドは、スティーブ・ジョブズが他の人に押し付けた難題をスティーブ・ジョブズの魅力、カリスマ性、虚勢、誇張、マーケティング、宥和政策、持続性により、スティーブ・ジョブズが他の人に可能にさせるということを言い表す言葉です。
「ジョブズに最もうまく反論したで賞」は、1981年から年に1回、スティーブ・ジョブズに最もうまく反論した人に贈られ、3年連続で、ジョアンナ・ホフマンが受賞しました。
「1984年」は、ジョージ・オーウェルが書いた小説です。
「1984年」では、1950年代に発生した核戦争を経て、世界は、3つの超大国に分割統治され、物資は乏しく、紛争が繰り返され、ビック・ブラサーが思想、言語、行動、結婚などのあらゆる人間性を統制をする社会を描いた本で、大きな影響を与えました。
IBM社は、1911年6月16日に設立され、1960年以降は、コンピュータ市場で圧倒的な影響力があり、ビックブルーと呼ばれています。
PCは、パーソナルコンピューターのことで、個人で所有し、使用できるコンピューターです。
パーソナルコンピューター以前は、メインフレームと呼ばれる汎用コンピューターに多数の端末が接続され、タイムシェアリングにより、集中処理を行っていました。
AppleⅡは、CPU、メモリー、キーボード、画像出力装置、音声出力装置、外部記憶装置、プログラム用言語、ゲームI/Oを単一製品として、史上初の一体型PCを1,298ドルで発表し、600万台も売れました。
Lisaは、PC本体、ディスプレイ、内蔵RAM領域は2MB、外付けハードディスク、2つある5.25インチのフロッピーディスクを持ち、PCとしては初のGUI環境で、マルチタスク機能とメモリ保護機能を備えていましたが、価格が1万ドルと高く売れませんでした。
Macintoshは、Lisaの低価格モデルを目指して開発され、Lisaと同じCPUを採用し、PC本体、ディスプレイ、内蔵RAM領域は128KBしかなく、1つのソニー製の3.5インチドライブだけで、外付けハードディスクはなく、Lisaと似ているGUI環境で、マルチタスク機能を実現し、価格が2,495ドルでした。
内蔵RAM領域は512KBに拡張されました。
AppleⅡ、LisaとMacintoshには、互換性がなく、OSもアプリケーションも開発した後、独自に改良と保守しなければなりません。
NeXTcubeは、MC68030のCPU、64MBのメモリー、256MBの光磁気ディスク、660MBのハードディスク、10Base-2イーサーネット、1120×832ピクセルのディスプレイ、NEXTSTEPのOSという仕様で、PCをはるかに凌ぐ高性能で、高等教育機関向けに基本価格6500ドルで販売されました。
iMacは、PowerPC 750のCPU、32MB(最大128MB)のメモリー、4GBのハードディスク、10/100Base-Tイーサーネット、1024×768ピクセル15インチディスプレイ、ATI Rage IIc 2MBのGPU、2ポートのUSB 1.1、 内蔵モデム、Mac OS 8.1のOSという使用で、基本価格1299ドルで販売されました。
iPodは、ポケットに収まるほどの小型携帯型デジタル音楽プレイヤーで、1000曲もの音楽を保存することができました。
最後のセリフ
ウォズ
スティーブ・ジョブズの生涯と時代背景
映画「スティーブ・ジョブズ(2013年)」を参照してください。
感想
世界を変えられる男とは、創造力がある男だということです。
ストーリは、ありません。
スティーブ・ジョブズが言葉で人を動かす様子を描いています。
スティーブ・ジョブズのセリフに注目すると良いです。
創造性に優れた男は、多くの創造性のない人々を見下し、「バカ」と平気で罵倒し、金も時間も分かち合おうとはしません。
スティーブ・ジョブズは、創造性はないが大学時代からの友人でアップルコンピュータの設立従業員のダニエル・コトキにアップルコンピュータの発起人者株を与えず、浪費家のクリス=アン・ブレナンを嫌い、何もできない娘のリサを嫌い、過去のAppleⅡにこだわるスティーブ・ウォズニアックを評価せず、過去のAppleⅡでお金儲けをするジョン・スカリーを憎悪します。
スティーブ・ジョブズは、新しい製品、サービス、何よりも新しいユーザー体験を創造することに集中するために、新しい製品やサービスを創造しようともしない周囲の人々とことごとく対立します。
日本人的な「お花畑的な」発想で、スティーブ・ジョブズが創造力のない人々達に配慮するべきだと考えるのは間違いです。
何かを得るには、何かを捨てなければなりません。
全てを得ることなどできないのです。
スティーブ・ジョブズは、創造力を得るために、創造力をない人を捨てたということです。
創造力のかけらもない日本人には、全く理解することはできないでしょう。
スティーブ・ジョブズの創造力は、「非常用出口のサイン」を消灯させるということでも発揮されます。
リサは、Macintoshで抽象画を描き、エッセイを書くという創造力を発揮することでスティーブ・ジョブズと和解します。
スティーブ・ジョブズは、創造力だけで、AppleⅠ、AppleⅡ、Lisa、Macintosh、NeXTcube、NEXTSTEP、アニメ、iMac、iTunes、iPod、iPhone、iPadを世に送り出し、新しいユーザー体験を提供してきました。
今、世界を席巻している「GAFA」の一つがアップルコンピュータです。
iPodやiPhoneを利用し、創造力を発揮せず、時間を浪費し、創造力のかけらもない日本人が、この映画を鑑賞し、想像力のあるスティーブ・ジョブズのような人々を理解できずに、置いてきぼりにされることで、現状を再確認するためには良い映画です。
スティーブ・ジョブズがMacintoshを発表する前のシーンから始まります。
その後は、スティーブ・ジョブズがiPodについて創造力を膨らませるところまで描かれます。
Macintoshを発表するまでのこと、NeXTcubeを発表するまでのこと、iMacを発表するまでのことを知っていないと、この映画は理解できません。
若い人、コンピュータに詳しくない人、コンピュータに興味がない人には退屈な映画です。
iPhoneなら興味があっても、iPhoneが登場する前で、この映画は終わってしまうので、iPhoneについて期待すると期待外れになります。
スティーブ・ジョブズについて知っている人、知りたい人、コンピュータに詳しい人、自己啓発を得たい人には楽しい映画です。
スティーブ・ジョブズの言葉には、人を高揚させ、人を動かす何かが確かにあります。
スティーブ・ジョブズについて知らない人は、この映画を観てもわからないです。
この映画を観て、スティーブ・ジョブズについて知りたくなった人には、ウォルター・アイザックソン著/井口耕二訳「スティーブ・ジョブスⅠ」と「スティーブ・ジョブスⅡ」講談社を読むと理解できるようになります。
読んでも理解できない部分は、調べる必要があります。
スティーブ・ジョブズのような日本人はいないので、日本人がスティーブ・ジョブズを理解するのは困難です。
スティーブ・ジョブズは、Macintoshを学生、大学や研究所に割引価格で大量に販売するだけでなく、大量に寄付をしています。
スティーブ・ジョブズは、多くの人がMacintoshを使い、創造力を発揮すれば、社会が変わると信じていたからです。
30年以上経過している日本では、今でも学校に教育用PCが採用されていないのが現状です。
世界を変えられない男とは、周囲に反応し、作業をするだけの男です。
スティーブ・ジョブズの名言
映画「スティーブ・ジョブズ(2013年)」を参照してください。
まとめ
スティーブ・ジョブズは、人をやる気にさせる、導く天才です。
スティーブ・ジョブズのように、仕事に情熱を捧げた人に出会ったことはありません。
日本では、組織の一部になるようにしか、教育を受けられず、組織の歯車のような人ばかりです。
日本では、組織に逆らえば、左遷され、退職を強要されるだけだからです。
日本にスティーブ・ジョブズのような人がいても、組織の中で埋没し、いなくなるだけです。
自分は、人ができないということを、自ら進んでやってきました。
自分は、スティーブ・ジョブズと共に仕事ができたらと想像するだけで、興奮しました。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツに興味が湧きました。
次回は、TVドラマ「バトル・オブ・シリコンバレー」のレビューを書く予定です。
ご期待ください。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。