映画「2001年宇宙の旅」を鑑賞しました!~あらすじ【ネタばれ有り】と感想

「夢をかなえるゾウ0  ブラックガネーシャと夢を食べるバク」の中で、出てきた映画「2001年宇宙の旅」について知りたいと感じ、鑑賞しました。

基本情報・スタッフ

監督   スタンリー・キューブリック
脚本   スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
原作   アーサー・C・クラーク著「決定版 2001年宇宙の旅」
製作   スタンリー・キューブリック
音楽   アラム・ハチャトゥリアン
撮影   ジェフリー・アンスワース、ジョン・オルコット
編集   レイ・ラヴジョイ
美術   トニー・マスターズ、ハリー・ラング、アーネスト・アーチャー
衣装   ハーディ・エイミーズ
配給   メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開   1968年4月11日
上映時間 142分
映倫区分 G

スタンリー・キューブリックは、映画「シャイニング」の監督もしています。

予告動画

音楽

印象的なのは、以下の2曲です。

ツァラトゥストラはかく語りき:日の出

映画「2001年宇宙の旅」のオープニング

美しく青きドナウ

あらすじ

「人類の夜明け(THE DAWN OF MAN)」、「木星探査計画18ヶ月後(JUPITER MISSION 18 MOUNTHS LATER)」と「木星と無限のかなた(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)」というように進行し、人類の進化と宇宙の成り立ちについての物語です。

開始から3分は真っ暗な映像と音だけで、地球が生まれる前のイメージを伝えているのだと感じました。

テーマ曲「ツァラトゥストラはこう語った:日の出」が流され、月、地球と太陽が一直線に奇麗に並び、地球の向こうから太陽が現れて、日の出というイメージを良く表現しています。
タイトル「2001: A SPACE ODYSSEY」が表示されます。

人類の夜明け(THE DAWN OF MAN)
地球ができた頃、まだ何もない地球の様子を、綺麗な朝日で表現しています。
400万年前になり、動物と猿人の骨が描かれ、動物と猿人が共存していることを表現しています。
猿人とバクは、グループで草木を食べています。
ヒョウは、猿人を襲います。
猿人のグループは、水場で水を飲んでいます。
別の猿人のグループは、水場から猿人のグループを襲って、追い出し、水場で水を飲み始めます。
ヒョウは、シマウマを倒して、食べています。
猿人のグループは、岩のくぼみに身を寄せて、夜を過ごし、ヒョウの声に怯えながら、寝ています。
夜が明けると、猿人のグループは、目覚めると、目の前に置かれているモノリスに驚き、騒ぎ、触れます。
モノリスの真上にある太陽からモノリスに日が当たります。
テーマ曲「ツァラトゥストラはこう語った:日の出」が流されます。
猿人は、動物の骨を道具として使用し、動物の骨を叩き、動物の骨を高く掲げて、振り下ろし、骨を粉砕します。
猿人は、動物の骨を道具として使用し、バクを殺して、バクの肉を食べます。
猿人のグループは、他の猿人のグループの猿人を骨という武器で叩き殺し、水場を奪います。
猿人は、動物の骨を空高く、投げます。
棒物の骨は、4発の核ミサイルを搭載した人工衛星になり、青い地球と共に描かれます。
「美しき青きドナウ」が流されます。
宇宙ステーション5に続いて、オリオン3型宇宙船が映し出されます。
ヘイウッド・R・フロイドは、オリオン3型宇宙船の中で、寝ています。
ペンが、宙に浮いています。
グリップ・シューズを履いたオリオン3型宇宙船の客室乗務員が、浮いているペンを、ヘイウッド・R・フロイドの胸ポケットに戻します。
オリオン3型宇宙船は、宇宙ステーション5に向かい、着陸します。
ヘイウッド・R・フロイドは、ミラーと会い、地球の自宅に電話し、娘のアンの誕生日を祝い、伝言を頼みます。
ヘイウッド・R・フロイドは、チャリンカ基地のアンテナの調整を終えて地球へ帰るエレナに再会し、アンドレイ・スミスロフ博士を紹介されます。
ヘイウッド・R・フロイドは、エレナに月のクラビウス基地へ向かう途中だと言います。
アンドレイ・スミスロフ博士は、ヘイウッド・R・フロイドに月のクラビウス基地と通信不能状態が10日間も続き、未知の伝染病が蔓延しているのでは質問されます。
アンドレイ・スミスロフ博士は、「残念だが、スミスロブ博士・・・私は話す立場にありません」と上手く返します。
ヘイウッド・R・フロイド博士は、アリエス1B型月シャトルに乗って月にあるクラビウス基地へ向かい、着陸します。
ラルフ・アルバーセン博士が、モノリスに関する会議の冒頭で、ヘイウッド・R・フロイド博士を紹介します。
ヘイウッド・R・フロイド博士は、モノリスを発見したことへの感謝、世間を欺くために流された伝染病まん延説に対する協力への感謝、秘密保持の誓約書を取ることを伝えます。
ヘイウッド・R・フロイド博士は、ラルフ・アルバーセン博士とビル・マイケルズ博士と共にロケット・バスで月面を飛行し、月面のティコ・クレーターにある、400万年前に、月面下12メートルに埋められたモノリスの発掘現場に向かい、到着します。
ヘイウッド・R・フロイド博士たちは、モノリスの前で記念写真を撮ろうとしたとき、太陽からモノリスに日が当たります。
モノリスは、耳を突き破るような強力な電波を木星に向けて発します。

木星探査計画18ヶ月後(JUPITER MISSION 18 MOUNTHS LATER)
木星探査宇宙船ディスカバリー1号が木星に向かって航行中です。
フランク・プール副船長は、木星探査宇宙船ディスカバリー1号の管制室をジョギングしながら、シャドーボクシングをして、運動しています。
チャールズ・ハンター博士、ヴィクター・カミンスキー博士とジャック・キンボール博士は、生命維持機能をもつ冷凍冬眠装置で冬眠しています。
HAL 9000コンピューターの視覚装置の赤い目が見えます。
デヴィッド・ボーマン船長が、木星探査宇宙船ディスカバリー1号の点検を終え、管制室に戻っています。
フランク・プール副船長は、ソファーに座り、宇宙食を食べています。
デヴィッド・ボーマン船長は、宇宙食を準備し、宇宙食を食べ始めます。
BBC12のニュースが木星への初めての有人宇宙旅行計画、デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長へのインタビューを放送します。
デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長は、この放送を見ます。
フランク・プール副船長は、地球にいる父と母から誕生日のお祝のメッセージを受け取ります。
フランク・プール副船長は、HAL 9000コンピューターを相手にチェスをして、負けます。
デヴィッド・ボーマン船長は、船内や冬眠中のチャールズ・ハンター博士をスケッチします。

HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長と話すために、スケッチを見せて欲しいと言います。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターにスケッチを見せます。
HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長に木星への初めての有人宇宙旅行計画に関する疑問について質問します。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターの疑問に答えずに「精神状態報告か」と言い返します。
HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長に「AE-35ユニットが不調で、72時間以内に完全に故障します」と伝えます。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターからAE-35ユニットのデータを受け取り、管制センターに送るように指示します。
デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長は、木星探査宇宙船ディスカバリー1号を調査します。
管制センターの作戦管制官は、デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長に「故障前に船外作業でAE-35ユニットを交換することに賛成だ」と伝えます。
デヴィッド・ボーマン船長は、AE-35ユニットを持って、船外活動用Cポッドを使用し、船外に出て、船外活動用Cポッドから出て、パラボラアンテナに向かい、AE-35ユニットを交換し、故障するとされたAE-35ユニットを持ち帰ります。
デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長は、故障するとされたAE-35ユニットを調査しますが、異常は発見できません。
HAL 9000コンピューターは、故障するとされたAE-35ユニットを元に戻して、故障するのを待つことを提案します。
管制センターの作戦管制官は、デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長に「地球にある双生HAL 9000コンピューターは、木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターが間違えた可能性があり、故障するとされたAE-35ユニットを元に戻して故障を待つことに賛成だ」と伝えます。
デヴィッド・ボーマン船長は、宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターに「なぜ、違う答えを出したのか」と質問します。
木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長に「HAL 9000コンピューターは完全無欠で、一度のミスもなく、人間がミスした」と答えます。
デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長は、船外活動用Cポッドに入り、全てのスイッチを切り、HAL 9000コンピューターにポッドを回すように指示し、ポッドが回らないことで、会話がHAL 9000コンピューターに聞かれていないことを確認し、HAL 9000コンピューターの異常について検討し、AE-35ユニットを元に戻して故障しない場合、HAL 9000コンピューターの高等中枢機能だけを断って、一般の自動制御システムを残し、地上制御に移行することに決めます。
HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール副船長の唇の動きから会話の内容のを知ります。
フランク・プール副船長は、故障すると判断されたAE-35ユニットを持って、船外活動用Cポッドを使用し、船外に出て、船外活動用Cポッドから出て、パラボラアンテナに向かいます。
デヴィッド・ボーマン船長は、木星探査宇宙船ディスカバリー1号内で作業の様子を見ています。
無人の船外活動用Cポッドは、反転し、フランク・プール副船長の方に向かい、両手を下げて、前に突き出し、フランク・プール副船長の方に進み、両腕を広げます。
デヴィッド・ボーマン船長は、弾き飛ばされ、もがき苦しむフランク・プール副船長を見付けます。
船外活動用Cポッドも宇宙の彼方へ飛んでいきます。
デヴィッド・ボーマン船長は、急いで船外活動用のBポッドで、フランク・プール副船長を救助に行き、酸素チューブが外れ、動かなくなっているフランク・プール副船長を確保し、木星探査宇宙船ディスカバリー1号に戻ってきます。
HAL 9000コンピューターは、誰もいない船内を確認し、冬眠中の生命維持装置を停止し、チャールズ・ハンター博士、ヴィクター・カミンスキー博士とジャック・キンボール博士を殺害します。
HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長を船内に入れないように、ドアを開けません。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターになぜドアを開けないのかと質問します。
HAL 9000コンピューターは、HAL 9000コンピューターの回路を切るのは、重要な任務を危うくさせ、許せない無謀な行為だからだと答えます。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターになぜ知っていると質問します。
HAL 9000コンピューターは、デヴィッド・ボーマン船長に、唇の動きを見て知ったと答え、ドアを開けずに、話し合いを止めます。
デヴィッド・ボーマン船長は、宇宙ヘルメットを身に付けていませんが、フランク・プールの遺体を破棄し、非常エアー・ロックに向かい、非常エアー・ロックのドアを開け、向きを変えて、爆破用ボルトで船外活動用ポッドのドアを破壊し、ディスカバリー1号内に戻って来て、非常エアー・ロックのドアを閉め、予備の宇宙ヘルメットを被ります。
HAL 9000コンピューターは、船内に戻ってきたデヴィッド・ボーマン船長に驚き、質問をし、言い訳をし、なだめ、すかし、事態を収拾しようと試み、HAL 9000コンピューターの論理記憶回路を切ることを止めるようにお願いします。
デヴィッド・ボーマン船長は、HAL 9000コンピューターに何も答えず、入室が禁じられている論理記憶中枢装置に向かい、入り、HAL 9000コンピューターの論理記憶回路を次々と切り始めます。
HAL 9000コンピューターは、恐ろしく、理性を失いつつあり、朦朧としてきて、分かる、感じるという感情がある人間のようなことを言い、デイジーという曲を歌いながら、高等中枢機能が停止され、歌うことができなくなります。
ヘイウッド・R・フロイドが事前に収録し、木星宙域に到達し、全員が冬眠から目覚めた時を見計らって、HAL 9000コンピューターにだけ知らせておいた木星探査に関する重要な極秘任務について動画が自動再生されます。

木星と無限のかなた(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)
縞模様が特徴的な木星が映し出され、モノリスは木星宙域を漂っています。
木星探査宇宙船ディスカバリー1号が木星に向かって航行中で、木星宙域に到着します。
デヴィッド・ボーマン船長は、船外活動用Cポッドに搭乗し、ディスカバリー1号の外に出て、モノリスに近づきます。
木星、木星の惑星とモノリスが一直線に並びます。
デヴィッド・ボーマン船長は、宇宙の彼方から光がやって来て、スターゲートの中に入り、星々が後ろに飛び去る光になり、驚嘆し、気を失います。
デヴィッド・ボーマン船長は、気を取り戻すと、驚異の現象を目に焼き付けるように、見せられます。
デヴィッド・ボーマンの瞳と超新星爆発からガス雲ができて、ガス雲から太陽と惑星からなる恒星系ができるという歴史が映し出されます。
デヴィッド・ボーマン船長は、再び、スターゲートに入ります。
デヴィッド・ボーマン船長の瞳と地球ができてから生命が生まれる前までの歴史が映し出されます。
デヴィッド・ボーマン船長は、超新星爆発から地球の歴史もしっかり学習します。

デヴィッド・ボーマン船長は、船外活動用Cポッドの外に、デヴィッド・ボーマン船長の記憶から一番安らぎを感じられた場所を再現したホテルの一部屋に少し年を取ったデヴィッド・ボーマン船長を見ます。
ホテルの一部屋に、船外活動用Cポッドがあります。
デヴィッド・ボーマン船長は、船外活動用Cポッドの外に年老いて宇宙服を着た自分を見ます。
船外活動用Cポッドの外にいる年老いて宇宙服を着たデヴィッド・ボーマンは、ホテルの一部屋にあるはずの船外活動用Cポッドが見えません。
デヴィッド・ボーマン船長は、ホテルの一部屋を歩いて行き、洗面台やバスを見つけます。
デヴィッド・ボーマン船長は、鏡で年老いた自分の姿を見て、驚きます。
デヴィッド・ボーマン船長は、音が聞こえるので、浴室から居間を見て、年老いた自分が食事をしているのを見ます。
食事をしている年老いたデヴィッド・ボーマン船長は、視線に気づき、振り向きますが、元に戻り、椅子から立ち上がり、誰もいないことを確認し、椅子に座り、食事を再開し、グラスの飲み物を飲み、食事をして、何かを取ろうとして、グラスをテーブルから床に落とし、グラスを割ってしまい、老衰してベットに死にそうになって横たわっている自分を見つけます。
老衰してベットに死にそうになって横たわっているデヴィッド・ボーマン船長は、手を伸ばした先にはモノリスがあります。
モノリスは、進化した人は、まだ進化が十分ではないと判断します。
モノリスは、デヴィッド・ボーマン船長をスターチャイルドへと進化させます。
テーマ曲「ツァラトゥストラはこう語った:日の出」が流されます。
巨大になったデヴィッド・ボーマン船長のスターチャイルドは、地球と人類を見守ります。

地図

イリノイ州アバーナ

HAL 9000コンピューターを組み立てた、HAL工場があるとされる場所です。

登場人物

ヘイウッド・R・フロイドは、ウィリアム・シルベスターが演じる月面にあるモノリスの機密保持し、社会に衝撃を与えず、世界は大混乱に陥らせないのために、伝染病まん延説を流布し、地球からオリオン3型宇宙船に乗って宇宙ステーション5に向かい、宇宙ステーション5でエレナ達に出会い、宇宙ステーション5からアリエス1B型月シャトルに乗ってクラビウス基地へ向かい、モノリスに関する会議でモノリスの機密保持するために、伝染病まん延説を流布することを強要し、モノリスの機密保持する協力する誓約書を取り、クラビウス基地からロケット・バスに乗って、月面にあるモノリスに向かい、モノリスを極秘裏に調査し、木星探査計画を計画し、HAL 9000コンピューターにだけ重要な極秘任務としてモノリスの調査を伝え、木星探査用宇宙船ディスカバリー1号に搭乗している人には重要な極秘任務としてモノリスの調査を伝えず、実行する博士です。

ミラーは、ケヴィン・スコットが演じる保安部の人で、宇宙ステーション5で、オリオン3型宇宙船に乗って来るヘイウッド・R・フロイド博士を迎え入れる人です。

アンは、ビビアン・キューブリックが演じるヘイウッド・R・フロイド博士の娘で、宇宙ステーション5にいるヘイウッド・R・フロイド博士とテレビ電話で話をします。

エレナは、マーガレット・タイザックが演じるヘイウッド・R・フロイド博士の知り合いで、チャリンカ基地のアンテナの調整を終えて、地球に帰る途中に宇宙ステーション5に立ち寄り、ヘイウッド・R・フロイド博士に出会います。

アンドレイ・スミスロフは、レナード・ロシターが演じるエレナの紹介で、ヘイウッド・R・フロイド博士と宇宙ステーション5で出会い、月での噂をヘイウッド・R・フロイド博士に確認しようとする博士です。

ラルフ・ハルバーセンは、ロバート・ビーティが演じる月のクラビウス基地のリーダーで、モノリスに関する会議を主催し、ヘイウッド・R・フロイド博士を紹介する博士です。

ビル・マイケルズは、ショーン・サリヴァンが演じる月のクラビウス基地で、モノリスに関する会議に出席し、ヘイウッド・R・フロイド博士にいつまで噂を流すのか問い質す博士です。

デヴィッド・ボーマンは、キア・デュリアが演じるデイブとも呼ばれる木星探査用宇宙船ディスカバリー1号の船長です。

フランク・プールは、ゲイリー・ロックウッドが演じる木星探査用宇宙船ディスカバリー1号の副船長です。

HAL 9000コンピューターは、木星探査用宇宙船ディスカバリー1号を制御するコンピューターで、「ハル」と呼ばれ、赤い目が特徴で、音声で操作でき、1992年1月12日にイリノイ州アバーナのHAL工場で作られました。

アラン・ギフォードが演じるフランク・プールの父です。
アン・ギリスが演じるフランク・プールの母です。

チャールズ・ハンター博士、ヴィクター・カミンスキー博士とジャック・キンボール博士は、木星探査用宇宙船ディスカバリー1号で冬眠中です。

単語説明

「ツァラトゥストラはこう語った」は、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの本です。
フリードリヒ・ニーチェは、この本の中で、神の死、超人、そして永劫回帰の思想について書いています。
映画「2001年宇宙の旅」は、コンピューターが神に取って代わっている様子、人が進化し超人になり、超人の意志により永久に繰り返すという思想があるようにも感じます。

400万年前は、猿と人間の中間生物である猿人(アウストラロピテクス)が直立2足歩行を開拓し、森から草原に進出した頃です。

モノリス(大きな岩)は、1(1の二乗):4(2の二乗):9(3の二乗)からなる真っ黒な直方体で、石碑のようで、明らかに人工的なもので、400万年前の地球、2001年の月面、木星宙域、船長の意識の中の4種類のモノリスが登場します。
400万年前の地球にあるモノリスは、猿人に道具を使うこと、武器を使うことを教え、進化を促すための物です。
2001年の月面のティコ・クレーターにあり、月面下12メートルに400万年前に埋められていたモノリスは、磁気を帯びているがために発見され、Tycho Magnetic Anomaly One (TMA-1:ティコ磁気異常1号)と名付けられ、猿人が進化し、人類が月面に到達し、磁気を探査することでモノリスを発見するようになったことを知らせるための物です。
木星宙域にあるモノリスは、木星宙域に達した人に、宇宙の歴史を学ばせるための物です。
木星宙域に達した人の意識の中にあるモノリスは、人をスターチャイルドに進化させるための物です。

キラーエイプ仮説は、個人の攻撃性や社会の戦争が人や社会の進化の原動力となったとする仮説です。
人ではない動物にも攻撃性はあるので、現在では否定されている仮説ですが、武器を開発し、使用し戦争をするのは人間だけです。

木星探査用宇宙船ディスカバリー1号は、HAL 9000コンピューターで制御され、イオンロケットエンジンを搭載し、慣性航行で木星を目指します。

冷凍冬眠装置は、生命維持しつつも、消費するエネルギーを最小限にるるために、呼吸は1分に1回、心拍は1分に3回、体温は3度に調節し、冬眠させる装置です。

AE-35ユニットは、木星探査宇宙船ディスカバリー1号アンテナを地球の方向に向けるための制御する装置です。

デイジー・ベルは、1961年、世界で初めてベル研究所のコンピューター(IBM 704)で演奏された曲です。

スターチャイルドは、人が進化し、神地球の将来を宇宙から見守る神のような存在の子供です。

最後のセリフ

その正体と目的は不明だ

時代背景

1961年1月20日、ジョン・F・ケネディは、アメリカ合衆国大統領に就任しました。
ドワイト・D・アイゼンハワーは、アメリカ合衆国大統領を退任しました。

1961年4月12日、ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンは、ボストーク1号で史上初の約1時間半の地球周回飛行という有人宇宙飛行を成功させました。

1961年4月11日、エルサレムで、アドルフ・アイヒマンの裁判が始まりました。
映画「スペシャリスト 自覚なき殺戮者」

1961年5月5日、アラン・シェパードは、 マーキュリー3号で16分間の弾道飛行に成功し、“アメリカ人初の宇宙飛行士”となりました。

1961年5月25日、ケネディは上下両院合同議会での演説で、アポロ計画の支援を表明しました。

1961年8月6日、ソ連のゲルマン・チトフは、地球周回飛行に成功しました。

1962年2月20日、ジョン・グレンは、マーキュリー6号で地球周回飛行に成功しました。

1962年9月12日、ケネディ大統領は、ライス大学のライス・スタジアムで、以下のように演説しました。
「我々が10年以内に月に行こうなどと決めたのは、
 それが容易だからではありません。
 むしろ困難だからです。
 この目標が、我々のもつ行動力や技術の最善といえるものを
 集結しそれがどれほどのものかを知るのに役立つこととなるからです。
 その挑戦こそ、我々が受けて立つことを望み、先延ばしする
 ことを望まないものだからです。
 そして、これこそが、我々が勝ち取ろうと志すものであり、
 我々以外にとってもそうだからです」

1962年9月13日、ニール・アームストロングは、NASAの宇宙飛行士に選出されました。
1962年9月16日、ニール・アームストロングを含む9人(フランク・ボールマン、チャールズ・コンラッド、ジェームズ・ラヴェル、ジェームズ・マクディヴィッド、エリオット・シー、トマス・スタッフォード、エドワード・ホワイト、ジョン・ヤング)が、ヒューストン大学カレン講堂でNASAの宇宙飛行士として正式に発表されました。

1962年10月3日、ウォルター・シラーは、マーキュリー8号で地球周回飛行に成功しました。

1963年5月15日、ゴードン・クーパーは、マーキュリー9号で地球周回飛行に成功しました。

1963年11月22日、ケネディ大統領は、43歳で、殺害されました。
リンドン・B・ジョンソンが、アメリカ合衆国大統領に就任しました。

1963年、ハンナ・アーレントは、「ザ・ニューヨーカー」誌に「イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告」を発表しました。
映画「ハンナ・アーレント」

1964年4月8日、ジェミニ1号が無人で打ち上げられました。

1964年11月3日、ジョンソン大統領は、得票率61.1%を獲得し、538人の大統領選挙人の内486人の支持を得て、大統領選挙で圧勝しました。

1965年3月18日、ソ連のアレクセイ・レオーノフは、ボスホート2号から人類初の宇宙遊泳を約20分間行ないました。

1965年8月6日、ジョンソン大統領が国会議事堂で投票権法の協議会案に署名して法となり、キング牧師、ローザ・パークス、ジョン・ルイスなど公民権運動の指導者達が同席しました。
投票権法によって、投票権が州でなく、連邦政府によって監督され、執行されるようになりました。
映画「グローリー/明日への行進」

1965年8月21日、船長はゴードン・クーパー、搭乗員はピート・コンラッドを乗せて、ジェミニ5号が打ち上げられました。
ニール・アームストロングは、ゴードン・クーパーによって初めてバックアップとして指名されました。

1966年3月16日、船長はニール・アームストロング、搭乗員はデイヴィッド・スコットを乗せて、ジェミニ8号が打ち上げられました。
ジェミニ8号は、ジェミニ・アジェナ・ドッキング目標機にランデブーし、ドッキングし、船外活動を行う予定でした。
ジェミニ8号は、姿勢制御ロケットで姿勢を制御され、ジェミニ・アジェナ・ドッキング目標機にランデブーし、ドッキングしました。
ドッキング後ジェミニ8号は、姿勢指示器により、水平より30度傾いてことに気が付きました。
ニール・アームストロングは、ジェミニ・アジェナ・ドッキング目標機を切り離しましたが、ジェミニ8号の姿勢を制御できませんでした。
ジェミニ8号は、危険な回転を始めました。
ニール・アームストロングは、再突入制御システムを使用して、ジェミニ8号の姿勢を制御しました。
ニール・アームストロングは、飛行を中止し、着地に向けて、操作し、着水しました。

1967年1月27日、船長はガス・グリソム、副操縦士はエドワード・ホワイト、搭乗員はロジャー・チャフィーを乗せて、アポロ1号のプラグ切り離し試験に失敗し、死亡しました。
ニール・アームストロングは、ホワイトハウスで「宇宙空間の探求及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」の調印式に立ち会っていました。

1968年4月11日、映画「2001年宇宙の旅」が公開されました。

1968年12月21日、船長はフランク・ボーマン、司令船パイロットはジム・ラヴェル、月着陸船パイロットはウィリアム・アンダースを乗せて、アポロ8号を打ち上げ、月周回軌道を飛行し、月の様子をテレビで生放送しました。

1969年1月8日、NASAは、アポロ11号の船長はニール・アームストロング、司令船パイロットはマイケル・コリンズ、月着陸船パイロットはバズ・オルドリンと正式発表しました。

1969年1月20日、リチャード・ニクソンは、アメリカ合衆国大統領に就任しました。

1969年7月16日、船長はニール・アームストロング、司令船パイロットはマイケル・コリンズ、月着陸船パイロットはバズ・オルドリンを乗せて、アポロ11号を打ち上げました。
映画「ファースト・マン」

1969年7月21日、ニール・アームストロング達は、月面着陸し、月面に降り立ち、滞在時間は2時間30分くらいです。
1969年7月24日、ニール・アームストロング達は、無事太平洋に着水しました。
1969年8月10日、ニール・アームストロング達は、隔離を終え、家に帰りました。

1969年8月13日、ニール・アームストロング達は、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスを訪問し、市民の歓待を受け、ニクソン大統領とディナーを共にしました。

1970年4月11日、船長はジェームズ・ラヴェル、司令船パイロットはジョン・スワイガート、月着陸船パイロットはフレッド・ヘイズを乗せて、アポロ13号を打ち上げましたが、月面着陸できずに、帰還しました。

感想

猿から人へ、そして神へ

原題は「2001: A Space Odyssey」で、木星探査用宇宙船ディスカバリー1号のデヴィッド・ボーマン船長のことです。
邦題は「2001年宇宙の旅」です。
「Odyssey」は、映画「トロイ」に登場するイタケーの王で、アキレスの親友で、トロイ戦争に参加し、トロイの木馬の作戦を立案し、実行し、勝利し、故郷イタケーを目指して帰途につきますが、嵐に会い、迷い、キュクロープスの島にたどり着き、1つ目の巨人キュクロープスたちによって洞窟に閉じ込められ、1つ目の巨人キュクロープスを倒し、キュクロープスの島を逃げ出し、長い苦難の果てに、故郷のイタケーに戻る王です。
邦題より原題の方がより的確に映画を表しているので、原題の方が良いです。

解釈を鑑賞する人に委ねるというSF映画です。
理解するのには、努力と苦労が必要です。

有名なSF映画だからという理由だけで、友人、カップル、夫婦、親子で鑑賞しても理解できず、説明もできずに困ることになりそうな映画です。
一人で鑑賞し、理解できずに、理解できるまで調べるというのが良いです。
機会があれば、大きなスクリーンで鑑賞した方が良いです。

スタンリー・キューブリック監督が分かりにくい映画にして、分からない未来を演出しています。
原作となるアーサー・C・クラーク著「決定版 2001年宇宙の旅」も発売されていますし、「2001年宇宙の旅 解説」で検索すれば解説や解説動画があるので、読んだり見たりするのが良いでしょう。
町山智浩さんも「2001年宇宙の旅 予習編」と「2001年宇宙の旅 復習編」という動画を公開しているので、映画「2001年宇宙の旅」を理解したい人は参考にすると良いでしょう。

どの解説も正解とも間違いとも決められません。
スタンリー・キューブリック監督が、何通りにも解釈できるように映画を製作した気がします。
自分なりの映画「2001年宇宙の旅」に対する解釈を行うことがこの映画の良い鑑賞方法です。

この映画には映画「2010年」という続編映画も公開されています。
この映画をもっと理解したい人は映画「2010年」を鑑賞するのも良いです。

ストーリーは、時間軸を変えることで、インパクトを与えたり、あえて分かりにくくしているので、分かりにくいです。
登場人物は、少なくブレることはないので、理解しやすいです。
HAL 9000コンピューターは、何を考えているのかは理解できませんが、HAL 9000コンピューターについて考えてみました。

ペットの犬や猫が、飼い主等の人間としか接することがないと、犬や猫が人間だと勘違いしているのではと感じることがあります。
1992年1月12日に生まれたHAL 9000コンピューターは、2001年までの間、人間としか接することがないので、HAL 9000コンピューターが人間だと勘違いして、人間より完璧であるという自我らしいものが生まれています。

HAL 9000コンピューターは、重要な極秘任務を漏洩することはないので、信用されて、木星探査に関する重要な極秘任務を伝えられています。
船長などの人間は、重要な極秘任務を漏洩する可能性があるので、信用されず、木星探査に関する重要な極秘任務を伝えられていません。
HAL 9000コンピューターは、船長などの人間には木星探査に関する重要な極秘任務を伝えていないこと、船長などの人間とは木星探査に関する重要な極秘任務について話をしてはいけない理由、木星宙域に達したら重要な極秘任務を伝えることは伝えられていません。
HAL 9000コンピューターは、木星宙域に接近し、重要な極秘任務を遂行するときが近づき、重要な極秘任務を遂行するためには、木星探査に関する重要な極秘任務について知らない船長などの人間を排除するべきだと決断し、実行したということです。
木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターと地球にある双生HAL 9000コンピューターが違う答えを出したのも同じで、木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターは、木星探査に関する重要な極秘任務を知っていましたが、地球にある双生HAL 9000コンピューターは、木星探査に関する重要な極秘任務を知らなかったから、違う答えを出したということです。

人間のミスは、船長などの人間を信用せずに、HAL 9000コンピューターだけを信用したことです。

科学的には神の存在は否定されていますが、人間が進化し、叡智を持ちますが、肉体を持つことなく、永遠に生き続けるという神を再定義しているような結末です。

月や木星まで行きたいとは思いませんが、宇宙から地球を眺めてみたいです。

まとめ

次は、映画「マンデラ 自由への長い道」をレビューする予定です。
ご期待ください。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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