この本では、「順境が逆境になる」、「逆境を順境にする」、「順境を維持する」ということについて書かれています。
この本は、真実に目を向けることで、逆境を好転させる、順境を維持することを述べています。
「希望をはこぶ人」のように、若者と老人が登場するところが似ています。
「希望をはこぶ人」に似ている本なので、「希望をはこぶ人」が気に入っているならば、この本も読むことをお勧めします。
「希望をはこぶ人」に出てくる「君は今、いるべきところにいるってことさ」、「人間は生きているかぎり、危機のさなかにいるか、危機から抜け出しつつあるか、危機に向かっているか、いずれかの状態にある」、「しっかりとしたビジョンを持てば、明るい未来を切り開くことができるよ」や「飛び立とうと決意することと、実際に飛び立つことはまったく別物だからね」という言葉を思い出させてくれます。
自分が、逆境でも、順境にいても役に立つ本です。
この本は、2つの文章で始まります。
真の発見の旅は、新たなる景色を見ることではなく、新たな目を持つことである。 プルースト
知識で最も重要なことは、得た知識を活かすことである。 孔子
<スペンサー・ジョンソン著/門田 美鈴訳「頂はどこにある?」扶桑社 ISBN:9784594060527>」
著者
スペンサー・ジョンソンは、サウスダコタ州ウォータータウンの出身で、南カリフォルニア大学の心理学部を卒業した、心臓ペースメーカーの開発に携り、様々な大学や研究機関の顧問を務め、シンクタンクに参加し、コミュニケーションズ・コンサルタントとして活躍すると共に、ベストセラー作家です。
著書には以下の本があります。
- 「1分間パパ」(2000年12月 ダイヤモンド社)
- 「1分間マザー」(2000年12月 ダイヤモンド社)
- 「1分間自己革命」(1986年4月 ダイヤモンド社)
- 「1分間意思決定」(2015年6月 ダイヤモンド社)
- 「人生の贈り物」(2001年6月 扶桑社)
登場人物
たくさんの登場人物がいるように感じますが、主な登場人物は「若者」と「老人」だけです。
- マイケル・ブラウン
- アン・カー
- 若者
- 老人
- 若者の両親、家族、友人、上司、同僚や部下
- 若い女性
- マイケル・ブラウンの会社の同僚
- リンダ
- ケヴィン
マイケル・ブラウン
ソフトウェア会社で働いています。
ソフトウェア会社の方針は、オフショア開発で、人件費の安い外国に仕事を移管しています。
自分の仕事が、海外に移管されることを恐れています。
妻との関係も冷え込んでいます。
息子との関係は悪く、会話もありません。
アメリカ合衆国でも日本でもよくいる人です。
「山と谷の物語」を聞いて、行動し、成功する人です。
アン・カー
マイケル・ブラウンの友人で、「山と谷の物語」で成功し、マイケル・ブラウンに「山と谷の物語」を話して、聞かせる人です。
若者
聡明で、谷間に住んでいますが、何かを探しに、頂を目指して登り、老人に出会い、「順境と逆境に対する、山と谷の対処法」を聞いて、行動し、成功し、頂に住む人になります。
老人
「順境と逆境に対する、山と谷の対処法」で行動し、世界有数の成功者で、頂に住んでで、「順境と逆境に対する、山と谷の対処法」を話して、聞かせる人です。
若者の両親、家族、友人、上司、同僚や部下
谷間に住んでいる人々です。
若い女性
頂を目指して登ってくる人です。
マイケル・ブラウンの会社の同僚
マイケル・ブラウンと共に作業グループを作り、画期的な方法を見つけ、行動し、効果を上げる人々です。
リンダ
マイケル・ブラウンの妻で、学校で教職員として働いています。
ケヴィン
マイケル・ブラウンの息子で、バンドで音楽を演奏することも目標に生きている人です。
あらすじ
この本は、3つの場面からなっています。
- 物語の前に
- 山と谷の物語
- 物語を終えて
物語の前に
場所は、ニューヨークで、ある雨の日の夕方です。
マイケル・ブラウンは、仕事も家庭にも問題を抱え、友人のアン・カーに相談するために、小さなレストランでディナーを食べます。
アン・カーは、マイケル・ブラウンに「山と谷の物語」を全身全霊で耳を傾け、自分自身の経験を当てはめ「自分」にとって何が真実か、動かいがたい事実を知ることだと伝えます。
アン・カーは、マイケル・ブラウンに「山と谷の物語」から多くのことを得られる人もいるし、何も得られない人もいて、「山と谷の物語」から何を引き出すかによって変わると伝えます。
「チーズはどこへ消えた?」のホーなら「山と谷の物語」から多くのことを得られし、「チーズはどこへ消えた?」のヘムなら「山と谷の物語」から何も得られないということです。
山と谷の物語
山と谷の物語の目次
- 谷間の憂鬱
- 答えを見つける
- 忘れる
- 休息する
- 学ぶ
- 発見する
- 分かち合う
- 山と谷を活用する
- 山を楽しむ
谷間の憂鬱
聡明な若者が谷間に生まれ、育ち、働き、仕事に失望し、憂鬱になりました。
若者は、家族や友人の反対を押し切り、山頂に登ってみることで、谷間ではない世界を知ることで、自分を変えたいと強く思い、山頂を目指して、登り始めます。
自分も日本に生まれ、育ち、働き、仕事に失望し、憂鬱になりました。
自分も日本ではない外国という世界を知ることで、自分を変えたいと強く思い、外国人と共に働きました。
若者が山頂を目指して山を登るのは、1994年頃から流行り出し、今でも続く「自分探し」とも似ています。
答えを見つける
若者は、山頂から夕日が沈む風景を見ることはできませんでしたが、山頂に住んでいる老人と出会いました。
老人は、「山と谷の対処法」として、若者に現実は変えられないが、見方を変えて、行動することで、現実を変えることができると教えます。
自分も日本での仕事は変えられませんが、見方を変えて、外国人と仕事をすることで、見方を変えることはできましたが、現実を変えることはできずに、早期退職しました。
自分は早期退職後、再就職しましたが、激務の上、給料は4割減、ボーナスなしで、心も体も壊しました。
自分は再就職先も早期退職することになりました。
自分がブログを書けるようになったのは、再就職先での経験があるおかげです。
自分の人生が全て終わったわけではないので、見方を変えて、行動することで、現実を変えることができるのかに挑んでみたいです。
このブログを書き続け、成功するにせよ、失敗するにせよ、一つの事例として多くの人に伝えたいと考えています。
忘れる
若者は谷間に戻り、見方を変えて、行動することで、現実を変えることができると家族や友人に言いますが、信じてもらえません。
若者は、仕事に戻ると、会社の業績は伸び、収益は最高益を記録し、「山の状態」になりました。
会社はトラブルに見舞われ、「谷の状態」になりますが、若者は見方を変えて、行動することで、現実を変え、会社を救い、管理職に出世しました。
会社は、再び収益が落ち込み、状況は悪化しました。
若者は、老人の話を忘れてしまい、見方を変えて、行動することで、現実を変えるようとしますが、変えられません。
自分は、見方を変えて、行動することで、現実を変えることを始めて知ったので、現実を変えたことはありません。
日本では、見方を変えて、行動することで、現実を変えることに成功した人はいないのではないかと感じています。
菅義偉官房長官は「私どもは選挙で選ばれているから、何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば、異動してもらう」と言いました。
日本は、菅義偉官房長官を他の候補者に大差をつけて、選挙で首相に選びました。
65%もの日本人が、菅義偉首相を支持しました。
異動を覚悟で菅義偉首相が決定した何をやるという方向に反対しますか?
間違いを正すことをせずに菅義偉首相が決定した何をやるという方向に従いますか?
間違いを繰り返す菅義偉首相に反対する人はいなくなりました。
このような日本では、見方を変えて、行動することで、現実を変えることはできないと断言できます。
休息する
若者は、友人に誘われて、高原に行って、一人になり、ストレスから解放されましたが、倦怠感を感じて、「山と谷の対処法」が少ししか役に立たないことを老人に伝えるために、山に登る準備をします。
自分は、早期退職をして、一人になり、ストレスから解放され、計画していたことを行い、達成し、再就職をしましたが、心と体を壊し、早期退職することになりました。
自分は、今再び、計画していたことを行い、達成し、谷から抜け出そうとしています。
学ぶ
若者は、山に登り、老人に再会し、「山と谷の対処法」が少ししか役に立たないことを老人に伝えました。
老人は、若者に、「山と谷の対処法」が少ししか役に立たないことを学んだということを指摘し、順境の時にエゴを捨て対処していれば、逆境は少なくなるし、逆境のときにエゴを捨てて対処していれば、逆境から抜け出すことができると教えます。
老人は、若者に、エゴは、現実を見えなくさせ、真実をゆがめ、順境の時に人を傲慢にし、逆境のときは人を怯えさせると教えます。
傲慢にならずに、恐怖心に打ち勝つことができるのは、並外れた人間だけです。
若者は、さらに高い山を見つけ、登るために、深い谷へ降りることにします。
若者は、「具体的なビジョン」に従い、今いる山で傲慢にならずに、恐怖心に打ち勝ち谷に下り、高い山に登ることでしか得られない英知を得るために、出発しました。
自分も外国人との仕事で成功しましたが、日本人を見下すようになりました。
自分が早期退職した後、「具体的なビジョン」に従い、再就職しましたが、外国人との仕事で成功したことで役に立ったことは、極わずかで、心も体も壊しました。
再び、早期退職し、「具体的なビジョン」に従い、行動しています。
自分は、成功した人と出会ったことはありません。
自分は、並外れた人間ではないとも感じています。
発見する
若者は、谷へ降りていき、想像した以上の苦難に出会い、恐怖心が谷を作るという無視してきた現実に気が付き、大声で笑うこと、恐怖心に打ち勝つこと、「具体的なビジョン」に従い、現実を味方につけ、意識を集中し、行うことで、高い山の山頂にたどり着きました。
若者は、再び、老人と会うために、老人のいる山に戻ることにしますが、近道を発見し、短い時間で、戻りました。
自分は早期退職し、想像以上の苦難に出会い、「具体的なビジョン」に従いましたが、現実から目を背け、恐怖心を感じることもなく、何となく、再就職しました。
自分は、谷で学んでこなかったことに、今気が付きました。
日本人は、スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグのようなにリスクを取り、谷へ降りていき、明確なビジョンを持って、山に登り、成功した人はいません。
分かち合う
若者は、老人と再会し、「山と谷の対処法」を話すだけではなく、行動することで、謙虚さ、山と谷の真実、エゴを捨てること、具体的なビジョンに従い、恐怖心に打ち勝つことを学び、成長し、家族や友人から学ぶことに気が付き、老人と別れ、谷間に下りていきます。
自分も話すことはせずに、エゴはありましたが、具体的なビジョンに従い、行動しましたが、学ばず、成長しませんでした。
自分は、こうしてブログに書くことで、多くの人と分かち合いたいです。
山と谷を活用する
若者は、「山と谷の対処法」に従って行動し、会社の危機を救い、会社が危機に陥らず、成功するように努力し、人には愛情を持って接することで、関係を改善しました。
若者を含む谷間の人々は、老人が亡くなったことを知りました。
若者は、「山と谷の対処法」に従い、行動し、伝えるために、「山と谷の対処法」をカードにして、人に渡すようになりました。
山を楽しむ
若者は、この世で最も心安らかな成功者となり、数十年が過ぎ、老人になり、山の頂で過ごし、楽しむようになっていました。
老人になった若者は、どこで生きるかではなく、いかに生きるかが重要だと気が付きました。
若い女性が、谷間から山の頂に登ってきて、老人になった若者に、谷間での悩み事を打ち明けました。
老人になった若者は、若い女性に「山と谷の対処法」について話しました。
時代は変われど、人の悩みは変わらず、「山と谷の対処法」は今でも有効です。
自分も、「山と谷の対処法」に従い、現実を味方につけ、逆境にひそむ利点を見つけ、活用し、順境に感謝し、賢く対処し、理にかなった未来像に沿って行動します。
物語を終えて
夜になり、雨はやみました。
マイケル・ブラウンは、アン・カーから事態を複雑にしているのは自分自身であることを指摘され、「山と谷の対処法」を真剣に受け止め、行動し、成功します。
まとめ
「頂はどこにある?」のホームページを見つけましたので、参考にしてください。
公式サイト
自己啓発に関する本を読んできましたが、本質的には同じだということに、あらためて気が付きました。
自己啓発に関する本を読んでも、行動しなければ、何も変わらないということです。
人は、決意はできても、行動はできないのは、エゴにとらわれ、感謝をせず、恐怖に打ち勝てないからです。
スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグについて知りたい人は、以下の映画を鑑賞すると良いでしょう。
この本が気に入ったので、スペンサー・ジョンソンが書いている以下の本もレビューする予定です。
ご期待ください。